【留学中のトラブル編】ルームメイトからお金を盗まれ、ドアを蹴破られた話

こんにちは。スヌです。

基本的に留学は楽しい経験であるべきですが、避けようがないトラブルもつきもの。中でも一番に気を付けるべきは「人間関係」と言えます。留学とは、完全アウェーの環境に身を置くこと。だからこそ、自分の周りに「信頼できる人間」を配置しておくことが重要です。

今回の内容はその真逆のパターン。

一番身近だった人間が「最低野郎」だった、という話になります。ルームメイトに現金を盗まれ続け、挙句の果てに自分の部屋のドアを蹴破られることになりました。お金を盗まれていることに気づいたあと、どう問題に対処し、最終的にどうなったかをお話したいと思います。

解決までに半年かかった長期間のトラブルですので、どうしても文章が長くなってしまいますが、ご容赦ください。

これから留学を控える方の何かしらの教訓になれば幸いです。

目次

自分で選ぶことができないルームメイト(寮生活)

正規留学生のほとんどは、1年目を寮で送ることになります。私はアパートタイプ(キッチンとバスルームは共有、寝室は別々)を選択し、3人のルームメイトと一緒に住むことになりました。自分でルームメイトを選ぶことはできませんので、誰がルームメイトになるかは、神のみぞ知ることになります。

最初のセメスターは白人のアメリカ人2人と一緒に住むことになり、とても良好な生活を送っていました。しかし、特に仲良くしていたルームメイトが諸事情で退学することに。秋のセメスター終了後、部屋を出ていきました。

その代わりにやってきたのが今回の主人公、黒人アメリカ人のケニー。

とてもフレンドリーな黒人ルームメイト・ケニー

ケニーという奴はいつでも笑顔、ジョークも絶えず、とてもフレンドリーでした。よく一緒に外に遊びにいきましたし、困りごとがあると何かと優しい言葉で励ましてくれます。”Bro, you are my Japanese bestie!”(”お前は最高の日本人の親友だぜ!”)みたいなことをよく言ってくれて、留学1年目の私にはとても嬉しいことでした。

しかし、お人好しの私はただ利用され、騙されていたということに気づくまでは時間の問題でした。

あれ、こんなに現金使ったっけ・・・現象

留学1年目、なにかと出費がかさばる時期でした。食器類、自転車、寒い気候にあった衣類の準備など様々な買い物をしていました。週末の夜はダウンタウンのバーに遊びに出かけたりもしていました。授業も忙しく、色々とバタつく時期。

そんな中、「あれ、昨日こんなに現金使ったっけ・・・?」と思うことがしばしば起きるようになりました。

金銭管理が甘かった自分の責任ですが、その当時は気にしている余裕もなく、「まあいっか」とそのまま流すことに。

「はっ」と犯人に気が付いたある日の朝

ある金曜日の夜、ドイツ人留学生の友達(後で登場するので以下トムと呼ぶ)とダウンタウンで遊んでいました。バーでビールを頼み、カウンターで支払いをしようとした時でした。「あ、また現金がなくなってる…。」6.5$の支払いができず、結局トムに支払ってもらうことに。

おかしいとは思いつつ、お酒を飲んで酔っていたこともあり、深く考えず、気にしないことにしました(その時は意図的に)。その夜はそのまま楽しい時間を過ごし、その後家に戻り良い気分で就寝。

そして次の日の朝でした。起きた瞬間「はっ」と、まるで雷が落ちたような感覚と共に、現金がなくなっていた理由に気が付きました。ケニーの犯行です。

気付いたときの感覚は恐ろしいもので、「衣食住を共にする仲間の中に実は殺人鬼がいた」みたいな恐怖でした(殺人鬼は言い過ぎかもしれません。人狼くらいでしょうか笑)。

まあとにかく、それに気付いたときは動揺しました。

iPhoneで監視カメラアプリを使用し、部屋に設置

ケニーが犯人だということはほぼ確信していました。「何か対策しなければ…」と思い、授業の合間、必死に大学の図書館でその方法を考えました。色々と調べてみた結果、iPhoneの監視カメラアプリを使用することにしました。

当時、日本で使っていた古いiPhoneをサブ用に降格させていたため、そのiPhoneに監視カメラアプリをインストール。クローゼットの扉を少しだけ開けておき、洋服と洋服の間にバレないように設置しました。

アプリ起動中、5秒ごとに写真がクラウドに送付され、インターネットから確認できる仕様のアプリでした。

写真に写る不気味な黒い影

その日の夕方、授業の後に再び図書館へ。ノートパソコンを開き、アプリのクラウドへアクセス。すごいもので、そこにはすでに無数の写真が画面いっぱいに表示されていました。画面をスクロールしていきますが、そこに映るのはいつも通りの自分の部屋。

しかし途中、突然「黒い影」が映りました。はい、ケニーで間違いありません…。まるでアニメ・名探偵コナンの犯人役です。あそこまで背筋が凍りつくのは、もしかしたら人生で初めてだったかもしれません。

信頼おけるドイツ人留学生・トムに相談

たまたまその日は、トム(先日ダウンタウンで遊んでいたドイツ人の友人です)と図書館で勉強する約束をしていたので、すぐに彼に相談しました。もちろん証拠の写真も見せました。「これはダメだ。ケニーに話に行こう。一緒にアパートに行ってやる。」と親分肌気質を発揮。勉強そっちのけで、すぐさまアパートに戻ることに。

ケニーを問い詰める

アパートに到着しました。ソファーで一人くつろぐケニー。”Heeey, what’s up buddy!”と、いつも通り気さくにケニーに話しかけるトム。しかしいつもと違い、そこに笑顔はありませんでした。そして、雑談も挟まずすぐさま本題へ。

「お金を盗んでいるだろう」とド直球に問い詰めるトム。しかしケニーは認めません。「おいおい、言いがかりはよしてくれ友人よ。」と、すました答えしかしません。あっけらかんとした態度でした。

平行線で会話が進んでしまいそうな雰囲気の中、決め手となった言葉は「部屋にカメラがある」の一言でした。この言葉を聞いたケニーは突然言葉に詰まり、ついに、お金を盗んでいた事実を認めました。

泣きながら釈明をするケニー

驚いたことに、事実を認めたとたん、ケニーは泣き始めました。そして分かったことは、「ケニーは本当にお金に困っていた」ということ。アメリカの格差を垣間見た瞬間でした。ケニーはその後も泣きながら自身の事情を話し続けました。

父親が刑務所に入っていること、スポーツ奨学金の受給が下りるのを待っていること、お金がなくて食事もまともにできないこと等々、困窮している状況を必死に説明しました(その話が本当だったかは今でも分かりませんが)。

なんと洋服まで盗んでいたことを告白するケニー

そして話の中で浮かび上がった新事実がありました。それは、私のお金だけでなく、洋服まで盗んでいたということ。これには本当に驚きましたし、今まで気付かなかった自分に呆れました。衣類は多めに日本から持ってきていたのですが、普段あまり着ていない季節外れの服が狙われていたようです。盗んでいた理由は、「お金がなくて洋服が買えないから」とのこと。

再起のチャンスを与えるトム

いくらお金に困っているとはいえ、犯罪は犯罪。しかし、警察に通報するのは酷なこと。トムの計らいで、ケニーには再起のチャンスを与えることになりました。

・今後は絶対に盗みを行わない(次やったら大学に通報する)
・盗んだお金と洋服はセメスター終了までに必ず私に返す

この2点を約束させ、私とトムは図書館に戻りました。

なかなか現金を返さないケニーに苛立ち始める私

その後、ケニーとは良好な関係に戻りました。トムの思いやりで、ケニーと一緒にトムの家に遊びに行かせてもらうこともありました(トムにはアメリカ人の奥さんがいます)。

しかしその時間も束の間、お金の返却ペースは徐々に減速。次第に、まるでお金の件はなかったかのような振る舞いを始めるケニー。

お風呂場でマリファナを吸うケニーに苛立ち始める私

本当に「コイツはクソ野郎だ」と確信しました。お金がないと言いながら、毎朝お風呂場でマリファナを吸っていたからです。マリファナはだいたい 「1gで10$」程が当時の相場だったはず。そして、1gなんてすぐに吸いきってしまいます。お金がないと言いながら、盗んだお金を返さずに一人悠々と朝からマリファナを吸う。生粋のクソ野郎ですよね(笑)

セメスター最終週、お金を返さなければ大学に通報するとケニーに脅す私

マリファナの件以外にも、日に日にケニーの態度は悪化していきました。悪化というより、「怠惰」と言った方が適切かもしれません。共有のリビングは食べかけのお菓子や食べ物で汚れきっていました。マリファナを吸ってはソファでくつろぎ、たまに女を連れ込む。そんな感じでした。

セメスター最終週でした。我慢の限界に達した私は、ついに彼を脅すことにしました。

「残りのお金をあと1週間で返さなければ、大学に通報するからな。」

あえて、ケニーが外出中に、スマホのメッセージで送りつけました。

罵声とともにドアを蹴破るブチギレケニー

その10分後くらいだったと思います。「ガチャッ」と玄関が開いた音が聞こえ、ドタバタと足音を立てながらケニーが私の部屋の前にやってきました。扉の前で、「クソジャップが!」と汚い言葉を吐いていました。ブチギレているようでした。

私が部屋の中から、「自分のせいだろ」と冷静に言い放つと、ケニーは扉を思いっきり蹴り、扉は崩壊。そのままバタッと扉が地面に倒れました。

部屋の中にいた私とケニーはお互い向き合う形になり、ケニーは「クソくらえ!」と暴言を吐き、扉を壊してしまったことに対する若干の焦りを表情に出しながら、そのままアパートから出ていきました。

寮長に相談し、部屋を入れ替えてもらうことに

私が住んでいた寮は、区画内に6棟のアパートが連なる形でした。各棟にはそれぞれ寮長が存在しますので、私は事の発端から今までのことを全て寮長に伝えることにしました。

セメスター終了間際でしたが、サマースクールを受講予定だったため、その寮にはあと1カ月間滞在する必要がありました。そしてケニーもサマースクール受講予定でした。

原則部屋の移動は認められないのですが、相談の結果、特例で別棟に移してもらえることになりました。

もう1人のルームメイトと共に大学へ報告

もう1人のルームメイトと話し合ったところ、彼も私と同様、ケニーの態度に腹を立てていたようでした。共有のバスルームは、マリファナの匂いで充満しています。そして一部物損もありました。物損の修繕費は入居者が負担することになりますが、ケニーがやったことは明白でした。

そこで、リビングやバスルームなど、ケニーが荒らした箇所を2人で全て写真に収め大学に通報することにしました。もちろん、お金と洋服を盗まれていたことも含めてです。

どこかへ消えたケニー

無事に別棟に移って平和に暮らすことができるようになった私ですが、いつの間にか、ケニーの姿は消えていました。一度、勇気を出して前の部屋を覗いたことがあるのですが、その時にはもうきれいさっぱり、空の状態になっていました。もちろん、私の部屋の扉も直っていました。

大学から何かしらの処分があったことは明白でしたので、なんら不思議なことはありません。そして留学期間中、その後彼の姿を目にすることは一度もありませんでした。

しばらく後になって、ケニーが地元に帰ったことを、ドイツ人のトムから聞きました(スナップチャットで連絡があったそう)。

(アドバイス)留学中は信頼できる人間と行動しよう

冒頭でもお伝えしましたが、留学期間中は、信頼できる人間と一緒にいることが大切です。私の場合、ドイツ人のトムがいてくれたおかげで、このトラブルを乗り越えることができました。今回話には出ていませんが、彼の奥さんにも助けてもらっています。

信頼できる友人を作ることは、トラブルが起きた際ももちろんそうですが、「トラブルを事前に防ぐ」という点においても非常に有効です。留学初期の頃は特に、何が正解で何が不正解か、自分で判断できないことが多々あります。信頼できる人が周りにいれば、正解を教えてもらえますし、危ない状況を回避することができます。

大切なので最後にもう一度だけ言いますね。

留学中は、信頼できる人間と一緒に行動しましょう。

今回は以上です!- スヌ

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この記事を書いた人

はじめまして、スヌと申します。

ゆるゆると英語学習を続けて15年、TOEICは640点から950点、TOEFLは63点から100点に上がり、ケンブリッジ英検C1にも合格しました。これからもマイペースに英語学習を続けるつもりです。

当ブログでは、英語を頑張りたい方の背中を押せるブログ運営を目指します。

特に、
・英語上級者を目指す英語中級者の方
・なかなか結果は出ないけど英語を諦めたくない方
・留学経験や海外経験があるけど、実は英語があまり話せない。でもこれからまた頑張りたい!と思う方

に向けて、少しずつ記事を更新しています。

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